今から30+α年前の教育現場では考えられないくらいにデジタル化は進んでいます。今では一人一台の端末を持ち、いろんな授業の中で鉛筆とノートといった学習用具と同じく使いこなしています。また、これまでは作ったり書(描)いたりしなければならなかった教材はデジタル教科書をはじめとするデジタルツールに代わり、私たち教師にとってもより教えやすくなっています。しかしながら、やっぱり紙には紙のよさがあります。特に、何かを習得するメカニズムを考えると「紙」に軍配があがりそうです。人間の記憶は五感を通じてつくられます。実際に体験したことは時間が経っても覚えているのは、より多くの感覚器官が働いているからですね。同じように、目で見て、耳で聞いて、手を動かし、考える。これを繰り返すことで長い時間記憶としてとどまります。デジタルにはデジタルだからできることがあり、紙には紙ならではのよさがあります。上手に使い分けられるようにすることも、デジタル化により必要な力です。